関節リウマチの痛み・腫れ(手・手指・肘・膝・足首・足の趾)
関節リウマチでこわばり・痛み・腫れが起こる仕組み
関節リウマチは、免疫の働きの異常によって関節の中にある滑膜に炎症が起こり、痛みや腫れ、朝のこわばりを引き起こす疾患です。 滑膜は本来、関節がなめらかに動くように関節液をつくる組織ですが、炎症が起こると滑膜が厚くなり、関節液が増え、関節の中が腫れたような状態になります。 このため、関節を動かしたときの痛みや、じっとしていたあとに動かしにくいこわばりが生じます。
とくに朝方にこわばりが強く出やすいのは、眠っている間に関節を動かさないことで炎症の影響が目立ちやすくなるためです。 さらに炎症が続くと、軟骨や骨が傷むとともに、周囲の腱や靱帯にも影響が及び、関節変形の原因となります。次第に握る、つまむ、立つ、歩くといった日常動作が少しずつ難しくなっていきます。
見た目の腫れがそれほど強くなくても、関節の内側では炎症が進んでいることがあるため、「少し痛いだけだから」と我慢しないでリウマチ専門医に相談することが大切です。
症状の進行について
関節リウマチの症状は、ある日突然はっきり出る方もいれば、少しずつ進む方もいます。 初期には、朝だけ手がこわばる、指がむくんだ感じがする、疲れると関節が痛むといった軽い症状から始まることがあります。 この段階では、年齢や使いすぎ、更年期、冷えなどのせいと思われて見過ごされることも少なくありません。
その後、炎症が続くと、痛む関節が増えてきたり、腫れが目立ってきたりします。 手指や手首、足の指などの小さな関節から始まり、次第に肘、膝、足首などへ広がることもあります。 朝のこわばりが長く続くようになり、握る、持つ、歩く、立ち上がるといった日常の動作に支障が出やすくなります。
さらに進行すると、炎症が続いた関節で軟骨や骨が傷み、関節の変形や可動域制限が生じることがあります。 すると、単に痛いだけでなく、関節が動かしにくい、力が入りにくい、できていた動作が難しいといった機能の問題が目立ってきます。 現在は早期から適切な治療を行うことで、こうした進行を防いだり遅らせたりできる可能性が高くなっています。
手・手指の症状
手や手指は、関節リウマチで最も症状が出やすい部位の一つです。 指のつけ根や第2関節、手首に炎症が起こると、朝に手が握りこめない、指輪がきつく感じる、ペットボトルのふたが開けにくい、包丁や箸を持ちにくい、キーボード操作がつらいといった困りごとが生じます。 痛みが強くなくても、むくんだような感じや動かしにくさが続くことがあり、初期症状として重要です。 炎症が長く続くと、指がまっすぐ伸びにくい、横にずれてくるなどの変形につながることがあります。
- 朝、手がこわばって握りにくく、顔を洗う・歯を磨く動作がしづらい
- ペットボトルのふた、瓶のふた、ドアノブなどを回しにくい
- 包丁、箸、フライパン、スマートフォンなどを持つと痛みが出る
- 字を書く、パソコン入力をする、ボタンを留めるなど細かい作業がつらい
- 指輪が入りにくい、きつく感じる
- 洗濯バサミをつまむ、財布から小銭を出すなどのつまむ動作がしにくい
- ボタン掛け、ファスナー、アクセサリーの着脱が難しい
- グーやパーがしづらく、指が思うように伸びない・曲がらない
など
肘の症状
肘に炎症が起こると、曲げ伸ばしのたびに痛みが出たり、肘が十分に伸びずに着替えや洗顔がしにくくなったりします。 肘は日常生活でよく使う関節のため、症状があると食事、整容、家事などさまざまな動作に影響が出ます。 腫れが強いと、肘の後ろに違和感や熱っぽさを覚えることもあります。
- 顔を洗う、髪を整える、歯を磨くときに肘の曲げ伸ばしがつらい
- 服の袖を通す、上着を着るときに痛みが出る
- 物を持ち上げる、鍋を運ぶなどで肘に負担がかかりやすい
- 肘が最後まで伸びず、物を取る動作や机上作業がしにくい
など
膝の症状
膝では、階段の昇り降り、立ち上がり、歩行時の痛みや腫れ、水がたまる感じが出ることがあります。 膝の痛みは加齢や変形性関節症と間違われることもありますが、腫れや熱感、他の関節症状を伴う場合には注意が必要です。 関節リウマチによる膝の炎症では、動き始めだけでなく、じっとしていた後にも動かしにくさが出ることがあります。
- 椅子や床から立ち上がるときに強い痛みやこわばりがある
- 階段の昇り降りがつらく、手すりが必要になる
- 長く歩くと膝が腫れたり熱っぽくなったりする
- 正座やしゃがむ動作が難しくなる
など
足首の症状
足首が腫れると歩くたびに痛く、長く立つことが難しくなります。 足首は体重を支える関節なので、炎症があると日常生活への影響が大きく、通勤や買い物、家事などでも困りやすくなります。 また、足首の違和感を捻挫や疲労と思って様子を見てしまう方もいますが、長く続く場合には注意が必要です。
- 歩き始めに足首が固まったように感じて動かしにくい
- 長く立っていると腫れや痛みが強くなる
- 通勤、買い物、家事などで歩く距離がつらくなる
- 階段や坂道で足首に力が入りにくい、痛みが増す
など
足の趾の症状
足の趾のつけ根に炎症があると、靴を履くと痛い、長時間歩けないなどの症状が出ます。 足の症状は、外反母趾や靴の問題と思われて受診が遅れやすい部位ですが、関節リウマチの初発症状であることもあります。 体重のかかる部位であるため、症状が進むと歩き方が変わり、さらに膝や腰への負担につながることもあります。
- 靴を履くと指のつけ根が当たって痛い
- 歩くと足裏の前のほうに痛みが出て、長く歩けない
- つま先立ちや方向転換で痛みが強くなる
- 足の趾が腫れて、普段の靴がきつく感じる
など
痛みや腫れを我慢しないでご相談ください
大切なのは、「痛みを抑えること」だけでなく、「炎症を抑えて関節を守ること」です。 当院では、痛む部位だけを見るのではなく、全身の関節の状態、炎症の強さ、生活への影響まで丁寧に確認し、疾患の勢いそのものを抑える治療につなげます。 長く続く痛みや腫れに慣れてしまわず、今のつらさをぜひご相談ください。